古代アンデス土器に見られる男女の体
肉体における受胎の方法は、私たちの文化や道徳に強く影響している。体や裸体は隠されるべきものであり、『裸』は精神や神聖なるものと相反すると定めている教義もある。しかし、ここでは、裸体を隠さない芸術品の展示を通じて、私たちの思考に根付いた概念から離れ、古代アンデスの創作物に表現された人体に関する見解にアプローチしたい。
• 約4000年前、古代アンデスの人々は粘土を使って自分たちの世界を表現し始めた。人間の体を象った土器は、ただの器ではなく、空気や水、その他の液体が流れて巡り、出入りする穴があり、象徴的にこれらを活発にして、生気を与えるとされていた。
• 古代アンデスの芸術では、暗示的な体勢の男女の裸体を表現した土器や、性器を直接的に極端に表現したもの、また、男女の生殖器を詳細に象った様々な容器が見られることから、人体解剖学に精通していたと考えられる。
• 本展示室の土器は、農耕儀礼や祭儀における食事や飲料の準備、また葬儀や生贄儀式の際などに使われ、最後に他の容器や供物と一緒に埋葬された。これらの土器は、現世のみならず、地下世界である死後の世でメッセージを運ぶ役割を担っていた。
• 人々は、これらの土器を手に持ち、祭事や儀礼で賑やかに酒を飲んでいたと考えられる。こうした行為は、おそらく様々な性的反応を刺激し、興奮と欲求を駆り立てるとともに、集団で戯れたり冗談を言ったりする状況を引き起こしただろう。